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多読をしながら英語、中国語の語学学習をする人の雑記ブログ。

本の感想『優劣のかなたで読みひたれ 楽しい英語「多読」入門』

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今回は、英語の多読のやり方についてのハウツー本である『優劣のかなたで読みひたれ 楽しい英語「多読」入門』(著 林剛司)についての内容のまとめ及び感想を述べたいと思います。

本書は幼少期から多読で英語を培ってきた英語教師である筆者の立場から見た、洋書の多読のメリット、重要性、やり方を説いています。

 

 

【目次】

○本書の内容のまとめ

・日本の英語教育法における問題点

 1.精読・和訳のせいで「量」が少ない

 2.文法訳読・文法にこだわってはダメ

 3.単語の丸暗記はダメ

・SSS式多読法

○本書の感想

 

○本書の内容のまとめ

・日本の英語教育法における問題点

1.精読・和訳のせいで「量」が少ない

筆者は日本の英語授業での、一文一文の意味や構造を把握した「精読」の上での「和訳」する方針に問題があると主張。それはつまり、

英語を英語のまま理解することを阻害し、

英語を頭の中で一度日本語に訳す

という思考回路ができあがってしまうのです。これは英語を話す時に咄嗟に言葉が出ないでどもってしまったりする大きな原因でしょう。

また日本の学校では、英語を「精読」してしまうせいで必要以上の時間が掛かり、総じてみると結局

高校3年間でペーパーバック1冊にも満たない量

しか読んでいないことが判明したそうです。

さらにこのような指導法が原因で、日本の生徒は「和訳」を気にし過ぎている傾向にあるといいます。

 そこで筆者は「和訳先渡し授業」というものを行っているそう。名の通り、英文の全訳が書かれたプリントを先に渡して内容を把握してもらってから、英文をざっと読んでもらう流れにする手法です。英文の解読・精読→和訳、ではなく、和訳→英文の読解と逆にすることで掛かる時間を短縮し、より英文多読のために時間を割いてもらいたいということです。

しかしこの授業のやり方は完璧ではない、従来の日本の「精読」する勉強法よりはマシであるといったレベル、と筆者は考えており、やはりどんどんより多くの量の英文を継続してひたすら読んでほしいとのこと。

 

2.文法訳読・文法にこだわってはダメ

あなたはかつて、もしくは今、定期試験直前の勉強法として、

日本語訳を覚え、その次には新出単語を(発音や使い方にはまったく着目せずに)(中略)丸暗記しようとして

はいないでしょうか。また、

和訳問題でよい点数を得るために、下手な和訳をしてはいけないと思い、授業で先生がいった「模範的な」和訳を丸暗記し、そのまま解答用紙に書こうと

してはいませんか。

これは一文一文の文法に着目してその英文の意味を解読するような典型的な日本の英語教育法における「文法訳読方式」がそうさせているのです。これでは一向に英語の力がつくことはないと筆者は述べています。文の構造や単語の意味を吟味するより、むしろ「直読直解」「直聴直解」を目指すべきである、と。

日本人は必要以上に文法に重きを置いています。英文法を習得することは、多読をすることでも解決できる、より多くの簡単な英文から読むことで、次第に一定の必要な英文の構造のルールは見えてくるのです。

 

3.単語の丸暗記はダメ

私自身もかなり心当たりのある勉強法でありましたが、多くの人が資格検定に向けてそこに出てくる頻出単語集を買ってはその文字の羅列を丸暗記しています。筆者はこの勉強法には短期記憶としてだけ残るかもしれないが長期記憶として残るわけではなく、効果的なものではないとし、推奨していません。

さらに、英語学習の過程における初期段階ではある程度単語の意味をひたすら暗記し、それから多読していけばよい、という考えにも賛同しかねています。

やはりここでも、とにかく筆者は洋書の「多読」を推奨しており、文法も単語の知識もそんなになくてよいから、とても簡単な(例えば絵本など)洋書をひたすらぶっつけでどんどん読み進めていくべきだと言うのです。

それは、簡易なストーリーやそこに描かれている挿絵から英文の意味を推測することができるからです。いちいち律儀に新出単語の意味を調べることよりも、文脈からその単語の意味を推測していくことが大事である、と。

英語が上達した人たちに共通する特徴は、曖昧さを受け入れることです。 

 

・SSS式多読法

では、最終的に筆者はどのような多読法をオススメしているのでしょう。

それは、「SSS式多読法」です。SSSとは、"Start with Simple Stories"のことで、とにかくとても簡単な内容の洋書から読み進めていくというもの。そこには基本的なルールが設けられており、

1.辞書は引かない(引かなくてもわかる本を読む)

2.わからないところは飛ばして前へ進む(わかっているところをつなげて読む)

3.つまらなくなったら止める

という以上の3点が大事であるそうです。

このルールを念頭に置き、筆者は本書の後半で多くの多読における良書を紹介しています。

 

○本書の感想

私はこの本を読んで、ドキッとしたことが多くありました。なぜなら筆者が問題提起している日本の英語教育法の具体例がほぼ、私自身の中学・高校時代の経験にあてはまったからです。あなたはどうでしょうか。

また、そこから派生して自分の独学の勉強法(単語丸暗記など)もいかに誤ったものであったか、最終的には非効率的なものであったのかということを学びました。

とにかく英語の勉強法の最良策は、「多読」の一択であることを痛感しました。

ただ本書を読んで気になったことは、筆者は前半において、英文を読み、音読し、それを実際に書いてみる、ことが重要とさらっと述べているのですが、音読と筆写の点においての詳しい解説や実体験はなかったことです。

しかし、その点はさておき、これほどまでにこれから多読をしようとしている人、もしくはもうすでに多読をしている人にとって、励みになる本はないと思われます。英語以外の語学を学習している人にもいろいろと参考になる本です。

本書の内容に少しでも共感できた方、そしてその筆者の紹介する洋書がどんな本なのか気になった方は、一読してみてはいかがでしょうか。